ひま草子

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【 収益から見る規模の拡大状況①】MyClub LiverPool FC ① 18-19シーズン編

昨今凄まじい勢いで成長しているプレミアリーグマンチェスターユナイテッド,チェルシーなどサッカーを知らない人、見ない人でも知っている人は多いだろう。まさに、リーグとしての知名度がその規模も物語っている。ここ数年で、アジアに対するプレミアリーグマーケティングもかなり増えてきている。

 

客観的に規模を証明するにはどのように説明すればよいだろうかと考えたときに、財務状況から見てみようと考えた。そこで今回、『収益から見る規模の拡大状況』ということで財務会計の観点からクラブの状況や規模を見ていきたいと思う。

 

サッカーを見ていてもチームの強弱しかわからない。そのクラブがどのようなシステムで回っているのか将来性やポテンシャルを見るには財務状況を知ることは重要である。

実際の財務状況はどのようなものなのだろうか。今回はその第一回として我がmyclubであるリヴァプールの最新決算状況も含めた、様々なデータからクラブとしての規模の拡大状況について調べる。

 

今回は18-19シーズンの最新財務状況からどのような1年であったか、経営面で強化した点などを見ていきたい。

早速2018年6月から2019年5月までの年次決算から見ていきたいところだが、それを見る前に、18-19シーズンのリヴァプールの戦績を知る必要がある。

リヴァプールFCの18-19シーズンにおける戦績

フレンドリーマッチ(総試合数:6)→4勝1分1敗

インターナショナルチャンピオンズカップ(総試合数:3)→2勝1敗(5位/18チーム)

プレミアリーグ(総試合数:38)→30勝7分1敗89得点22失点⇒総合勝ち点97(リーグ2位)

カラバオカップ(総試合数:1)→1敗

FAカップ(総試合数:1)→1敗

チャンピオンズリーググループリーグ(総試合数:6)→3勝0分3敗9得点7失点⇒総勝ち点9

チャンピオンズリーグラウンド16 対バイエルン・ミュンヘン→3-1,0-0⇒3-1

チャンピオンズリーグ準々決勝 対ポルト→2-0,4-1⇒6-1

チャンピオンズリーグ準決勝 対バルセロナ→0-3,4-0⇒4-3

チャンピオンズリーグ決勝 対トッテナム・ホットスパー⇒2-0

 

以上が18-19シーズンのリヴァプールの全試合の成績である。

特に、チャンピオンズリーグ1位,プレミアリーグ2位は歴代でもかなりの好成績といえるでしょう。

 

さて、これらの結果もふまえて18-19シーズンのリヴァプールの決算状況を見てみよう。

リヴァプールの決算状況(18-19シーズン)

総売上5億5300万ポンド(790億7900万円)

 メディアによる収益2億6100万ポンド(373億2300万円)

 商業収入1億8800万ポンド(268億8400万円)

 マッチ収益8400万ポンド(120億1200万円)

売上高の増加量8000万ポンド↑ (114億4000万円)

利益4200万ポンド (60億円)

*1ポンド143円として算出

各収益における前年比

総売上高の前年比はおよそ+1億ポンド(143億円)!!!

その他の前年比は下の通り。

メディアによる収益⇒+4000万ポンド

商業収入⇒+3400万ポンド

マッチ収益⇒+300万ポンド

メディアによる収益⇒2億6100万ポンド

スポーツ業界の最も重要な収入源は放映権料である。

メディアによる収入の多くは放映権料であると考えられる。プレミアリーグでは、分配制度による放映権料の分配を行っている。18-19シーズンのプレミアリーグからの分配金1億5242万ポンド(約212億円)となっている。残りの約1億ポンドの詳細は分かりませんが、チャンピオンズリーグなどプレミアリーグ以外の試合による放映権料の分配金だと推測される。

リヴァプールSNSにもかなり力をいれている。YouTubeチャンネルはプレミアリーグの中で一番多いフォロワーとエンゲージを有しており、インスタグラムTikTokなどにも進出している。このような、試合中継だけでない様々なメディアへの進出は新規のファンを増やすことにも繋がる。

商業収入⇒1億8800万ポンド

商業収入の多くは、スポンサー収入グッズ収入が多くを占めている。

保険会社AXAとの取引でスポンサー料が増えたことによる大幅な商業収入の増収が発生したことを公表している。

商業収入は17-18シーズンのチャンピオンズリーグ2位という結果やサラーやマネ、ファンダイク、アリソンといった各ポジションにスター選手を持ってきたことによりユニフォームなどの関連グッズが売れたことが大きな要因になっているのではないだろうか。また、成績が上がればその分スポンサーも投資しやすい。そのような良好なチーム状況が商業収入に反映されたのではないだろうか。

マッチ収益⇒8000万ポンド

マッチ収益はスタジアムに足を運んだ人によるチケット料金のことである。スタジアムは今後改修工事に入り、さらなる増収が見込めるため今後に期待である。

利益⇒4200万ポンド

前年度はサッカークラブ世界最高額である1億2500万ポンドを計上したが、その1/3ほどとなっている。

17-18シーズンの活躍や18-19シーズンの活躍により選手の契約更新に支出が割かれていると考えられる。とはいっても人件費率は70%程度ですので、あくまで前年よりも増えているという見方で構わないだろう。実際、16-17シーズンの利益は4000万ポンドなので、いつも通りという見方もできるだろう。

 

今回は18-19シーズンのリヴァプールの収益について紹介した。次回は、過去の収益総額や内訳から規模の拡大状況を推移とともに見ていく。